はじめてインターネットで見たエッチな動画は、身体の大きな男性が女性の前で赤ちゃんのように振る舞っているものだった。
女性は嫌な顔一つせず、その男性に乳首を咥えさせて、ゆっくりと陰茎をこすっていた。
『いい子いい子、ママのおっぱい美味ちいでちゅか』と言いながら、母親のように優しく微笑む女性。
この時のぼくにとっては驚くべき光景であり、その動画がぼくの頭に焼き付くほど何度も見たのです。
『は~い、白いお漏らちピューピューしまちょうね~』と赤ちゃんのように扱われながら射精する男性。
そして、それを優しく世話する女性。
子供心ながらに、それは一線を越えた禁断の行為であること、背徳的であることを理解できました。
しかし、それ以上に、ぼくは画面の向こうにいる二人の大人に強い憧れと羨望を抱いていたのです。
女性の使う赤ちゃん言葉が美しく響き、赤ちゃんとして扱われる男性に何度も自分を重ねました。
ぼくもあの場所にいたい。
誰かにママになってもらいたい。
ママに世話される赤ちゃんになりたいという思いが、日に日に静かに積み重なっていきました。
気づけばぼくは高校生になっていました。
学校終わりには、部活や委員会に参加していないぼくは真っ直ぐに家に帰ります。
「ただいまー」と鍵を取り出して玄関を開けても、迎える声はありません。
小さい頃から両親は共働きで、帰りも遅いのです。
寂しいと言えば嘘になりますが、もう慣れてしまいました。
料理も自分でできるし、お金も両親が用意してくれているので不便はありません。
それに、ひとりでいることも案外悪くないものです。
誰にも邪魔されず、自宅でゆっくりと趣味に没頭し、性癖に興じることができるのです。
「さて、今日は何か面白いことがあるかな」と思い、スマートフォンを開いてインターネットの世界を巡り始めます。
探すのは、ぼく自身の性癖に合う何かです。
つまり、「赤ちゃんプレイ」というジャンルに関連するさまざまなコンテンツが存在するわけだ。
AV、小説、漫画、音声など、赤ちゃんプレイを扱った作品は数多く存在する。
今日は新作の催眠音声を見つけた。
これはぼくが好きなサークルが制作した、非常に高品質な赤ちゃんプレイ音声だ。
ぼくは服を脱ぎ、ベッドの下に隠してあるケースから一枚の紙オムツを取り出した。
実家で暮らしているので、派手な道具は揃えられないけれど、紙オムツや小さなガラガラなど、隠しやすいアイテムを少しずつ集めている。
これらは、赤ちゃんプレイオナニーへのサポートアイテムだ。
イヤホンをつけ、ぼくは赤ちゃんの世界へと没入していく。
「ほら、ぼくちゃん。
イク時はちゃーんと「ママァ、ママァ」と言わなきゃダメでちゅよ」と音声が語りかける。
ぼくは「うぅ……ママァ、ママァ、ちっちでるぅ」と小さな声で応える。
家にはぼく一人しかいないことはわかっているけれど、勇気を持って声を出すことはできない。
紙オムツをペニスに被せ、何度もオナニーをする。
そして音声の中で射精を許可されると同時に、ぼくはオムツの中に溜めた精液を吐き出す。
快感と開放感がペニス全体に広がる。
射精の余韻に浸りながら催眠音声を聞き流す。
こんな姿は、両親や知り合いに絶対に見られたくない。
しかし、内に押し込め続けるだけでは心が持ちません。
しばらくして、頭の中がすっきりとする。
満足感はあるけれど、気持ちはどこか空虚だ。
「やっぱり、誰かにママになってもらわないとだめなのかな」とつぶやく。
しかし、ぼくはただの高校生であり、そういった店に行くこともできないし、お金も持っていない。
方法や手段は持ち合わせていない。
今のぼくにできることは、ネットで見つけたコンテンツで自慰をすることだけだ。
「おお、新たなるアイデアが浮かんだぞ」 下着を引き上げなおし、ぼくはスマートフォンのSNSアプリを起動する。
普段使っているアカウントではなく、”けんたろう”という名前のアカウントを開設した。
これがいわゆるぼくの裏アカウントだ。
赤ちゃんプレイについて語り、心の中に抱いている欲求を吐き出すためのアカウントなのだ。
現実では言葉として吐き出せない欲望も、匿名のSNSなら自由に表現できる。
『ママに抱かれながら手コキを受ける夢を見たい』『ママの胸に包まれて眠る生活を願う』『ママに赤ちゃんの言葉を教え込まれたい』 ふと頭をよぎった欲望を短文にまとめてSNSに投稿する。
フォロワーは少ないが、ぼくと同じ考えを持つ人たちがいるようで、どこか安心する。
「あ、またいいねをもらったよ」
ぼくが投稿した直後に反応してくれたアカウントだ。
「ユリエママ」という名前で、プロフィールには『男の子を赤ちゃん返りさせるのが大好き』と書かれている。
数少ない人の中でも積極的にぼくと関わってくれる人だ。
「今日は写真をアップしてるかな?」 ぼくはユリエママのページをチェックする。
ユリエママは定期的に”甘えん坊赤ちゃんへ”と言って、過激な自撮り写真を投稿してくれる。
顔は隠されているが、はっきりと大きく丸く、形の美しいおっぱいが見える。
毎回違う写真なので、ロボットではないと思う。
普段の優しい言葉も相まって、ぼくは彼女からとても強い母性を感じていた。
もちろん、すべてを信じているわけではない。
ここは匿名のSNSなのだから、嘘をつくことだってできる。
しかし、それでもぼくは、ユリエママのような人が実在するのであれば、それこそが理想の”ママ”なのかもしれない、と確信していた。
『こんにちは、けんたろう君』 SNS上でメッセージが届く。
実は最近、ユリエママとの直接メッセージで交流するようになったのだ。
ある日、ぼくが性癖について書き込みをしていると、興味を持った人から接触がありました。
最初は驚きましたが、実際に赤ちゃんプレイについて話し合うと、ぼくの妄想と驚くほどの共通点があることがわかりました。
彼女の名前はユリエママと言います。
ぼくたちは今日もメッセージで赤ちゃんプレイについて語り合っています。
彼女は以前、赤ちゃんプレイ風俗店で働いていたと言っており、赤ちゃんプレイについて非常に詳しいです。
ぼく自身も彼女から学ぶことが多く、妄想の幅が広がりました。
彼女はメッセージ上でも赤ちゃんプレイをしてくれるので、とても感謝しています。
今日もいろいろな話ができそうで、ぼくは喜んでいます。
しかし、突然彼女が聞いてきた質問には、驚きすぎて意味が理解できませんでした。
彼女はぼくに「実際に赤ちゃんプレイしたことはある?」と聞いてきたのです。
この質問には衝撃を受けました。
「リアルではまだ高校生のお兄ちゃんだから、まだしたことがありませんよ」と返信しました。
文章はいつも通りなのですが、心臓は高鳴っています。
この状況で冷静さを保つことができません。
彼女は「そうなの?けんたろう君が具体的に語ってくれるから、ママ経験者だと勘違いしちゃったよ」と返信してきました。
「すべてうそなんです。ごめんなさい」とぼくは心から謝りました。
顔から火が出るほど恥ずかしい思いをしています。
笑われてしまうかもしれません。
ぼくは落ち込んでいる最中、彼女から予想外のメッセージが届きました。
「ねぇ、けんたろう君。
実際に赤ちゃんプレイしてみない?」と書かれていました。
「え!?」とぼくは驚きました。
彼女は続けて「私とけんたろう君は、すごく相性が良い気がするの。
交通費のことは心配しないで、私がそちらに行くから」と書いてきました。
普通は男がテンパるのかと思いきや、彼女のメッセージを見る限り、彼女の方が熱心になっているように感じました。
「本当にけんたろう君にいい子いい子してあげたいだけなの」とも書かれていました。
この誘いには思わず声を出してしまいました。
彼女の言葉からは、ぼくたちの相性がとても良いことが伝わってきます。
彼女はぼくに尽くしたいと本気で思っているようです。
ぼくは少し戸惑いながらも、この関係を受け入れる決心をしました。
怪しい商法や変なおじさんじゃないので、信じてほしいんだ!』 絶望的なほど必死になっていると、なんだか逆に冷静になってきた。
少し迷う。
普通なら即座に断るべきなのかもしれないけど、これまでのやりとりに悪質な嘘が混ざっているなんて考えたくない気持ちもある。
でももしも……もし本当にあの母性溢れる胸を持つ人が現れるのなら。
僕が願いを叶える最初で最後のチャンスかもしれないと思うと、どうにかして掴みたい気持ちが満ちてきた。
「……いつなら会えますか?」 ぼくはユリエママと会う約束をした。
ネットには嘘が蔓延しているのは十分承知している。
でも、それでも叶えたい願いが目の前に現れたんだから。
ぼくはその願いをつかむ選択を選んだのさ。
そして約束の日がやってきた。
話を進めると、意外なことにぼくとユリエママはけっこう近場に住んでいたんだ。
家から一番近い駅でユリエママを待つ。
正直なところ、今となっては少し後悔の気持ちもある。
もしも現れたのが変なおじさんならどうしようかとか、脅迫的な黒服の人が来たらどうしようかとか。
後者だったらぼくは逃げるしかないだろう。
前者だったらちょっと引くかもしれないけど、赤ちゃんプレイについて真剣に話し合いたいな。
「あの、けんたろうくんですか?」 とても美しい声に誘われて振り向くと、ぼくは言葉を失った。
そこにいたのは、ぼくが理想と思い描いていた「ママ」そのものだった。
軽くウェーブのかかった栗色の髪に、おっとりと優しい雰囲気。
年齢は20代後半から30代くらいかな。
そしてなんと言っても、服の上からでも分かるほどの大きな胸。
間違いない。
目の前にいるのはぼくがずっと見てきたおっぱいだ。
「あの……」「え、あ、はい! そうです、けんたろうです」「わぁ、よかった。
はじめまして、ユリエママです。
「今日はよろしくお願いします」と、満面の笑みで迎えてくれたユリエママを見て、ぼくはようやく現実を受け入れました。
本当に彼女は存在していたのです。
ネット上でのやり取りや画面越しの会話は事実でした。
立ち話では話し足りないので、ぼくたちは近くのファミレスに移動しました。
ユリエママと色々な話をしましたが、正直なところ、緊張しすぎてあまり内容は頭に入ってきませんでした。
料理の味も感じ取れませんでした。
「そろそろ移動しましょうか」と言われて立ち上がった瞬間、ぼくは急激に現実を受け止め始めました。
ぼくは今から、この女性と赤ちゃんプレイをするのです。
元々緊張していたのがさらに悪化してしまいました。
しかし、期待も大きくなっていたのか、無意識のうちにペニスが勃起していました。
ぼくの緊張が伝わったのか、ユリエママは優しく手を握ってくれました。
思わず彼女の顔を見上げると、柔らかく微笑んでくれていました。
彼女が本当に母親のように振る舞ってくれたおかげで、少し緊張が解けた気がしました。
手をつないだまま、街を歩きました。
ぼくは身長が152㎝しかなく、ユリエママは目算で170㎝以上あるので、他の人からはただの親子に見えたかもしれません。
それだと正直、興奮します。
しかし、今はそれ以上に緊張が再び押し寄せてきました。
言葉を交わすこともなく、ますます人通りの少ない場所へと入っていきました。
そして、辿り着いた場所は、見上げるほど巨大な建物でした。
インターネットで写真は見たことがありました。
これはラブホテルです。
「ここは、色々と寛容なホテルなのよ」「へえ、そうなんですか」ぼくは興味津々で聞きました。
「だからね、けんたろうくんが未成年でも、ここなら思う存分甘えられる場所なの」そう言われて、ぼくはドキドキしながらも耳を傾けました。
少しずつ現実味が増してきました。
「ねえ、けんたろうくん。知ってると思うけど、赤ちゃんプレイにハマりすぎたら、もう戻れなくなるかもしれないんだよ。まだまだ若いのに、こんなオバサンの遊びについて来なくてもいいのよ」
と、ユリエママは少し叱責するような口調で言った。
しかし、ぼくの心は動じなかった。
「今ならまだ引き返すことができるけれど、どうする?」。
きっとこれが最後の選択だ。
目の前のホテルの扉はますます大きな壁のように見えてきた。
他の人に聞かれたら、きっと「引き返しなさい」「普通の恋愛をしなさい」と言われるだろう。
だけど、ぼくはずっとこの瞬間を夢見ていたんだ。
引き返すなんて考えは微塵も浮かばない。
ぼくはユリエママの手を強く握りしめ、一歩前に進み出した。
「入りたい」と告げると、ユリエママは笑って言った。
「ふふ、わかったわ。
じゃあ今日はたくさん楽しみましょうね〜」。
軽い言葉遣いに心が浮きたつけど、それ以上に胸が高鳴っていた。
ぼくはユリエママと手を繋いで、ホテルの扉を開けた…。
ノベリスターの感想 SNSの出会いってギャンブルだよね。私もモンスターみたいな人と出会ったことがあります(笑)さて、無事に爆乳ママと出会った主人公はどうなるんでしょうか。
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